パニック障害 原因 治療

パニック障害の体験談

自分がパニック障害だと思いもしなかった!

 

01 思ってもみなかった!

私は、パニック障害になりました。しかし、最初から自分がパニック障害だと認識していた訳ではありません。

 

ただ、今になって思えば、私がパニック障害になった原因は、アレだったのではないかと思うことがあります。

 

それは、下記の通りです。

 

 

そもそもの始まりはイボ痔!

 

02 イボ痔だった

私は、46歳の頃、イボ痔になりました。私の症状は、肛門付近にイボ痔ができ、大便をするとき毎回鮮血が出ていました。便器が真っ赤に染まるくらいですから、かなりの量だったのだと思います。

 

そのような状態でしたので、病院へ行くべきだとは思ってはいたのですが、なんだかんだで病院へ行くことを先送りし続けていました。

 

しかし、イボ痔が少しずつ大きくなっているのは分かっていましたし、排便時の鮮血も止まる気配はなかったため、さすがにこれ以上放っておく訳にはいかないと思うようになりました。そのため、会社の同僚に頼んで、ネットの口コミで良さそうな病院を探してもらい、私はそこへ行くことにしました。

 

その病院は、自宅から電車で3駅のところだったので、最初は近くの病院に行こうかとも思ったのですが、口コミで評判がいいということでしたから、私は電車で通うことにしました。

 

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やぶ医者だったのか?

 

そして、その病院へ行き、とりあえずイボ痔の状態を診察してもらいました。

 

先生は「とりあえず、血が止まる薬を出しておきます。この薬を1週間ほど飲めば、劇的に血が止まります」と説明してくれました。

 

私は、先生の「劇的に…」という言葉に安心感を覚え、この先生なら上手く手術してくれるだろうと思いました。

 

06 この病院で治療するつもり?

しかし、その先生は「血が出なくなって、もしこちらの病院で手術をするつもりがあるなら、また来て下さい」と言いました。

 

その先生は、電車に乗ってまで通ってこないだろうと思ったのか、かなりぶっきらぼうな感じでそう言われたので、私はその病院で手術するべきか迷いました。

 

私は、その病院で手術するつもりで診察に行ったのですが…。

 

ただ、排便時の出血は一刻も早く止めたかったので、出してもらった薬は真面目に飲むことにして、その病院で手術をするのかは後で考えることにしました。。

 

03 全く効果なし!

 

しかし、2日経っても4日経っても、血が止まる気配はなく、1週間経っても大便をするときに大量の鮮血が出ており、血が止まる気配など全くありませんでした。

 

その頃、薬が無くなりかけていたので、同じ病院へ行って、追加の薬をもらうべきか迷っていました。

 

 

ろれつが回らなくなった

 

そんな状態でしたが、会社を休む訳にはいかないため、薬を飲み始めて8日目の朝、いつも通り会社に行くための用意をしていました。すると、急に手が震えだしたのです。

 

しかも、それだけで治まらず、背中や後頭部もシビレだしました。

04 ろれつが回らない

 

何が起こったのか自分では分からなかったのですが、とても会社に行けるような状態ではなくなってしまいました。

 

そして、とうとう口のまわりもシビレだして、ろれつが回らなくなってきました。

 

そんな状態になってしまったので、妻に連絡してもらい、救急車に来てもらいました。そして、すぐに自宅近くの総合病院へ搬送されました。

 

病院に着くと、ろれつが回らないということで、脳梗塞の疑いもあったため、MRIやCTなどいくつもの検査を受けました。そのとき、ついでにイボ痔の手術もしてもらったのですが…。

 

イボ痔の手術は、特に難しい手術ではないので、しっかり治してもらえました。そして、イボ痔を直したおかげで、大便時の出血も完全に治りました。

 

という訳で、最初に行った病院で「劇的に血が止まる」と言われてもらった薬は、全く効き目がなかったようです。

 

05 もうスグ治る

結局、MRIなど様々な検査の結果は、全て良好でした。

 

そして、体がシビレてろれつが回らなくなったのは、毎日大量の血を垂れ流していたので、血液中のヘモグロビンが激減して、ひどい貧血のような状態になっていたからだということが分かりました。

 

あとは、薬を飲みながら、規則正しい生活をし、ヘモグロビンの値が戻るのを待つだけで良いということでしたから、私は何も気にすることなく安心していました。

 

 

イボ痔と鮮血は完治したのに…

 

ただ、救急車で運ばれて、病院で治療を受けてからも、「手・首・後頭部などのシビレ」「息苦しさ」などはスグには治りませんでした。それは、ヘモグロビンの値が正常に戻ってないかったからです。

 

ちなみに、そのような状態は、仕事へ行く前だけでなく、仕事中や休みの日でも起こっていました。

 

07 次の瞬間、死ぬかも…

 

それは、ヘモグロビンが正常値に戻っていないためだと分かっていたのですが、ろれつが回らなくなり救急車を呼んだとき、私は「死ぬのでは…?」という恐怖を感じてしまい、それ以降「息苦しい = 死ぬかも?」という思いが脳裏を横切るようになっていました。

 

当時、自分では、そのようなことを意識しているつもりはなかったのですが、今思えば、そのような図式が頭の中に出来上がっていたのだと思います。

 

それほど、ろれつが回らなくなったときのマイナスイメージが「強烈」だったのではないかと…。

 

 

 

完治してから、おかしくなりだした…

08 これで元気になるハズ!

 

そうこうしているうちに、ヘモグロビンの値も正常に戻りましたので、普通に生活できるようになるハズでした。

 

私としても、特に深く考えることもなく、そうなると思い込んでいました。

 

しかし、ときどき襲ってくる「手などのシビレ」や「息苦しさ」が無くなることはありませんでした。一旦、そのような状態になると、立ち上がるのもツライほどになります。

 

その状態を言葉で説明するのは難しいのですが、簡単に言えば「手がシビれる」「息苦しい」「頭痛がする」などの症状が出てきて、頭の中で絶えず考えるのは、「救急車を呼ばないと、取り返しの付かない状態になるかも…」という得体の知れない不安感でした。

 

これは、理屈では「死ぬようなことはない」と分かるのですが、救急車で運ばれたときの「死ぬかも…」という恐怖感が、トラウマになってしまったのかも知れません。

 

そのため、「気のせいだ」とか「スグに治まる」などと自分に言い聞かせても、少しでもシビレや息苦しさを感じてしまうと、気持ちを落ち着かせようとする「言葉」や「思い」は気休めにもなりませんでした。

 

そして、数分〜数十分ほど恐怖感と戦いながら、シビレや息苦しさが治まるのを待つことになります。

 

しかし、しばらく横になっていると治まるので、そのせいで会社に遅刻するようなことはありませんでした。

 

H死ぬのかも…

 

ただ、「しばらく横になって、時間が経てば治まる」と分かっていて、横になっていた訳ではありません。

 

頭の中では「救急車を呼ぶべきかも…」という思いと葛藤しているような状態ですから、絶えず「死」の恐怖と戦っているような感じです。

 

これは、パニック障害を経験したことがない人にしてみれば、「何を大袈裟なことを…」「会社に行くのがイヤなのでは?」「どうにもならないような悩み事を抱えているのでは?」などと考えてしまうかと思われます。

 

しかし、そのようなハッキリとした理由など一切ないのです。あと、「精神的に弱いがために、イヤなことから逃げたくて、そのような状態になったのでは?」と思われる人は多いかと思います。

 

しかし、少なくとも、私には「イヤなこと」「悩み事」などは、全くと言っていいほど無かったのです。でも、そのような状態になると、理屈ではどうしようも出来なくなるのです。

 

私は、イボ痔で毎日大量の出血をしていたせいで、ひどい貧血状態になり、ろれつが回らなくなって救急車で運ばれることを経験するまでは、パニック障害のような症状が出ることは一切ありませんでした。

 

当時、私は46歳でしたが、少なくとも同じ年齢の人よりは元気な方だと思っていたくらいです。

 

しかも、仕事がイヤだと思っていた訳ではなかったですし、人間関係で悩むようなこともなかったですし、それなりに毎日楽しく生活をしていましたから、特に悩み事もありませんでした。

 

だから、仕事へ行く前や、仕事中に息苦しくなるのは、精神的なモノではなく、年齢的に考えても、どこか体に悪いところがあるとしか考えられませんでした。

 

そのため、総合病院へ行き、先生に症状を伝えた所、またMRIなど一連の検査をすることになりました。肛門からチューブを入れて、腸の中を見るような検査もしました。先生と一緒にモニターで自分の腸の中を見ましたけど、キレイなものでした。

 

という訳で、2回目の大掛かりな検査も、異常なしという診断結果が出ました。

 

Iそろそろ良くなる

 

それを聞いて、「そろそろ息苦しさを感じることも無くなるのでは…」と楽観的に思いました。無理に、そのように思おうとしたのではなく、素直にそう思っていました。

 

しかし、あの息苦しさと死の恐怖感は無くなりませんでした。

 

私は、精神的にタルんでるからではないかと思い、息苦しく感じても、会社を休むようなことはしませんでした。

 

ただ、息苦しさを感じるたびに、「救急車を呼んでもらわないといけないほどの状態になるかも…」という強烈な不安感は、いつも抱いていました。しかし、それも自分の気持ちがタルんでいるからだと思っていました。

 

そんな日々を1年以上過ごしていたと思います。

 

それでも、私は、少しずつよくなっていくのではないかと思っていたのですが、「息苦しさ」「手や後頭部全体のシビレ」などが治まる気配は、無くなるどころか回数が多くなっていきました。

 

あと、いつの頃からか、頭痛も伴うようになっていました。

 

そんな日々を過ごして2年ほど経った頃、仕事中に「頭痛」「シビレ」「息苦しさ」が襲ってきました。その頃は、1週間に1度くらいのペースで起きていましたから、「またか…」という感じでしたが、いつもより手や後頭部のシビレがひどく、ろれつがまわりにくく感じました。

J仕事中に…

 

そのため、これはヤバイと感じ、隣のデスクにいた同僚に、「私の様子がおかしいと思ったら、スグに救急車を呼んで欲しい」と伝えました。

 

そんなことを言われると、さすがに同僚も驚いたようで、「しばらく横になっていて下さい」と言って、イスを並べてベッドを作ってくれました。そして、1時間ほど寝ていると、さっきまでのアノ感じがウソのように無くなりました。

 

しかし、それ以来、どこであろうと、そのような状態になることが増えてきました。仕事中に、2〜3時間ほど仕事もせずに、横になっていることも少なくありませんでした。

 

自宅にいるときでも、そのような状態になることが増えてきて、私用で車を運転している最中にもよく起こるようになりました。

 

ただ、そこまでの状態になっていても、普段の生活や仕事などで、何ひとつイヤなことなどなかったので、パニック障害などの精神的な病気だとは思ってもみませんでした。

 

しかし、2〜3日に1度くらいのペースで、仕事中に休憩を取らないといけないようになっていたため、会社へ行きづらく思うようになりました。みんなが忙しく働いているときに、自分だけ昼休憩以外に2〜3時間も横になって寝ているのですから…。

 

K退職することに…

 

結局、2年半ほど悩まされ続けましたから、かなり迷いましたが退職することにしました。

 

私は、派遣社員として働いていたので、会社を辞めても退職金などもありません。妻子もいましたから、仕事を辞めるというのは、本当に死活問題だったのですが…。

 

しかし、それ以上に毎日がツラかったのです。

 

仕事中、仕事をせずに横になることが多くなっていましたので、まわりの人たちに申し訳ないという気持ちや、引け目に感じる思いなどもありましたが、それより、毎日のように息苦しさのせいで恐怖感を覚え、思うように動けないことがツラかったのです。

 

そのような状態であっても、私は、仕事に対してイヤだなと思うことはほとんどなかったので、息苦しく感じたりするのは仕事が原因だとは思っていませんでした。

 

しかし、2年以上もそのような状態が続いていましたので、自分では気付いていないだけで、仕事の中かが原因なのでは…と考えるようになりました。

 

そのため、仕事を辞めれば、この苦しさから解放されるのではないかと思い始めました。もうすぐ、49歳になる頃でしたから、転職することを考えると、本当は辞める訳にはいかなかったのですが…。

 

でも、あっさり(?)会社を辞めました。

 

 

 

これで、治るハズだったが…

 

私は、会社を辞めれば、息苦しく感じたり、手などがシビレたり、頭が痛くなったりすることは無くなると思っていました。

 

しかし、仕事を辞めて、しばらくは調子が良かったのですが、1ヶ月ほど経った頃に、またアノ症状が出てきました。ただ、1ヶ月ほどは調子が良かったので、特に気にすることはないだろうと思っていたのですが、結局仕事をしていたときと、ほとんど変わらないようになりました。

 

そして、仕事を辞めて半年ほど経ちました。その間、私は就職活動などもせず、仕事にも就いていなかったのですが、それでも治りませんでした。

Lこれってパニック障害?

 

ここまできて、やっと自分が不安障害のひとつである「パニック障害」ではないかと考えるようになりました。

 

 

そして、ネットで色々と調べてみると、ほとんどのサイトに、概ね下記のようなことが書いてありました。

パニック障害とは

@急に強い不安をを感じる
A特別なきっかけが無くても急に発症する
B症状は、激しい動悸・胸苦しさ・息苦しさ・めまいなど
C自分は死ぬのではという恐怖感に襲われる
D薬がよく効く

ちなみに、パニック障害と不安神経症の違いは、大ざっぱに説明すると、突発的で短期的な症状になるのがパニック障害で、不安神経症は長く続くのが特徴のようです。

 

これらのことから、私は「パニック障害」ではないかと判断しました。ただ、自己診断をしても治らないですから、精神科で診てもらうことにしました。

 

なお、私の症状は下記の通りです。

私の症状と特徴

@ 手が冷たくなる
A 手・背中・首・後頭部・口のまわりや口の中がシビレる
B 息苦しさを感じる
C 死ぬのではないかという恐怖感にさいなまれる

私の場合、大抵@からCの順番で進んでいきますが、@で止まることもあれば、AやBで止まることもあります。ただ、車を運転している最中に、@が始まり出すと、AやBまでいってなくても、かなりの恐怖感を覚えることがあります。

 

ただ、いずれの場合も、「イヤなこと」など、全く考えてもいないというより、実際に全く何も無いにも関わらず突然襲ってきます。そのため、何がきっかけ(原因)で発症するのかは未だに分かりません。

 

私がパニック障害になった理由

 

上記で詳しく説明しましたが、私はヘモグロビン値が激減し、ヒドイ貧血状態になり体中がシビレだし、そのうち「ろれつ」が回らなくなって救急車で運ばれたとき、脳梗塞で死ぬのではないかという恐怖に襲われました。

 

しかし、救急車で運ばれ様々な検査を受けましたが、体のどこにも異常が無いことが分かりました。

自分では、自分が感じた恐怖心を自覚していませんでしたが…。

 

救急車で運ばれたときの恐怖心は、そのときは自覚していませんでしたが、おそらく、あのときに感じた「死ぬかも…」という恐怖が心に植え付いてしまいトラウマになったように思われます。

 

それ以前は、パニック障害のような症状は一切ありませんでしたが、それを境にパニック障害のような症状が頻繁に起こるようになり、仕事を辞めても治らないままでしたから…。

 

パニック障害が起きる原因は、脳内の伝達物質の不具合によるものではないかという説が有力になってきているようです。

 

もしそれが事実だとしても、そのような不具合を起こすきっかけになったのは、救急車で運ばれたときに感じた恐怖心を拭い去ることが出来なかったからではないかと思っています。

 

Nいつ襲ってくるか分からない

 

ただ、パニック障害を発症するとき、何かきっかけなどがある訳ではなく、突然襲ってくるので、トラウマとの因果関係は全く分かりませんが…。

 

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